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セキュリティコラム

セキュリティコラム:詳細

サイバーセキュリティ人財のキャリアパス

2016年04月18日

前回コラムで引用した情報処理推進機構の「情報セキュリティ人材の育成に関する基礎調査」について、一般に人財の不足に関する分析のみが採り上げられる傾向にあるが、調査は更に2項目あって2番目が「情報セキュリティ人材の供給能力」、3番目が「情報セキュリティ人材のキャリアパス」である。

2番目の人財の供給については、多くの大学でサイバーセキュリティ関係の講座開設、大学間の講座連携等が推進されている。更に各企業にあっても数多くあるサイバーセキュリティ関連の教育受講等を通して、企業内の人財育成に努力をしており、供給能力は全体的に高まりつつあると言えるだろう。

ただ見落としてならない重要なポイントは3番目についてで、サイバーセキュリティエキスパートを目指す人財が、将来にわたって成長し続けられる事を確信できるキャリアパスが明示される事が必要であるという点だ。これに関し「情報セキュリティ人材の育成に関する基礎調査」では、情報セキュリティを6職種に分類し分析した結果、「職種毎に一定の特徴は見られるものの、全体的には高いスキルを確立するには必ずしも特定のキャリアパスに依存していないという傾向が見られた。」と記している。

サイバーセキュリティを20年近くやってきた筆者の実感として、サイバーセキュリティは雑学(格好良く言えば総合技術)なので、「特定のキャリアパスを描くのは難しい」との分析は理解できる。ただ果たしてそうであろうか、次回はその辺りを更に深堀してみたい。

筆者紹介

サイバーセキュリティコラム筆者 岸田明コラム筆者 岸田明

岸田 明(きしだ あきら)

KMSコンサルティング代表。
大手IT企業や参議院事務局など、第一線でサイバーセキュリティ対策に携わってきたこの道のエキスパート。 2016年3月よりキューアンドエーワークス株式会社の顧問に就任。