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セキュリティコラム

セキュリティコラム:詳細

第5の戦場・サイバー

2016年12月14日

米紙ワシントンポスト、ニューヨークタイムズ等によれば、今回の米国大統領選挙でロシアが選挙妨害を目的にハッキングしたと、CIAが断定したと報道された。何でもアリのインターネットではあるが、今回の報道の真偽はともかくとして、米国政府の言う様に、サイバー空間が陸海空及び宇宙に加えて第5の戦場となった事は確かだ。

1989年の「ベルリンの壁崩壊」は、テレビ等マスコミにより西欧の豊な生活を東欧の人々が知った事が原因の一つとされている。2011年初頭チュニジアで発生した反政府デモに端を発し,中東・北アフリカ諸国に拡大した一連の民主化運動「アラブの春」はインターネットによる自由なコミュニケーションがその底辺にあったと言われている。この2例は国民大衆に対するICTの影響力の例であるが、2国間においても、昨年米国・中国は「サイバー攻撃で知的財産を盗み取る行為やその支援をしないことで一致」した、つまり裏を返せばサイバー上で情報窃取(漏えい)が常態化していることを示している。更に今回の報道は、敵に具体的なダメージを与える所まで攻撃がエスカレートした事を示している。

我々はその事実に驚きただただ逃げ惑うばかりであるが、せめて機銃掃射に合わない様、また攻撃に加担しない様に、自衛の為にもICTリテラシーの向上が不可欠だ。

筆者紹介

サイバーセキュリティコラム筆者 岸田明コラム筆者 岸田明

岸田 明(きしだ あきら)

KMSコンサルティング代表。
大手IT企業や参議院事務局など、第一線でサイバーセキュリティ対策に携わってきたこの道のエキスパート。 2016年3月よりキューアンドエーワークス株式会社の顧問に就任。