年末になると恒例なのが、その年の10大ニュースの発表である。因みに時事関係では読売新聞の読者が選ぶ10大ニュースによると、国内第1位は熊本地震、海外第1位はトランプ氏の米国大統領当選である。熊本地震の被災者、亡くなられた皆様には心からお見舞いとお悔やみを申し上げたい。
サイバーセキュリティ関連ではJNSA(日本ネットワークセキュリティ協会)が毎年発表している十大ニュースがあり、第1位が「IoT機器による史上最大規模のDDoS攻撃の実態が明らかに ~防犯カメラ等のIoTデバイスのセキュリティは喫緊の重要課題~」となっている。先日セキュリティ関連の友人と話をした時、彼は「IoT機器のセキュリティの脆弱性は目を覆うばかりで、今後IoT機器を利用したサイバー攻撃は爆発的に拡大するだろう。被害から免れるには我々は原始の(ICTの無い)世界に戻るしか無い」と言っていた。筆者はここ3回のコラムでサイバー世界の危険について警鐘を鳴らしており、友人の考えに全く同感である。しかし時代・技術の流れは決して元に戻らない。何か革新的な技術やソリューションが生まれる事を期待したいが、攻撃側が圧倒的に優位なサイバーの世界では、直ぐに新手の攻撃手法が開発されるのでそれも難しい。前のコラムの結論の繰り返しになるが、我々はこの時代を生き抜いていくには、自らを守る知恵と「知識」が必要だ。
なお以下、「ランサムウェア」「AI」と続くが、「ポケモンGO」や番外編で「シン・ゴジラ」も採り上げられている。忘年会の酒の肴にはなるので、一度ご覧頂きたい。
JNSA 2016セキュリティ十大ニュース ~脅威の偏在化が新たな対応を求めている~http://www.jnsa.org/active/news10/index.html
筆者紹介
岸田 明(きしだ あきら)
KMSコンサルティング代表。
大手IT企業や参議院事務局など、第一線でサイバーセキュリティ対策に携わってきたこの道のエキスパート。 2016年3月よりキューアンドエーワークス株式会社の顧問に就任。