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セキュリティコラム

セキュリティコラム:詳細

映画「スノーデン」に思う

2017年02月15日

1月下旬から米国の映画監督オリバー・ストーンによる映画「スノーデン」が公開されている。エドワード・ジョセフ・スノーデンは1983年米国生まれで、元CIA(米国の中央情報局)やNSA(アメリカ国家安全保障局)の職員を務め、2013年6月にNSAによる個人情報収集の手口を告発し、世界中に衝撃を与えた人物だ。一方オリバー・ストーンは自身の体験に基づいていると言われるヴェトナム戦争を描いた「プラトーン」で一躍有名になった監督だ。オリバー・ストーンがスノーデンを映画化するのは、然もありなんと思う。映画「スノーデン」はほぼ事実に基づいて創られていると思われる。ただサイバーセキュリティ的な観点から言うとやや首を傾げたくなる所もあり、一人の愛国青年が国を告発する迄に至ったドラマとして見るべき作品だろう。

ただ権力による盗聴、傍受は有史以来の事実であって、スノーデンの告発によってもそれは無くなる事はないだろう。何故なら国は国と国民と守らなければならないからである。米国のNSAによる盗聴にはマイクロソフトやYahoo等IT企業が協力していたと言われている。一方中国製のスマホCoolpadにはバックドアが仕掛けられていて、Coolpad社によりアプリのインストルーやユーザ情報の吸い上げなど、いわゆるサイバー攻撃におけるマルウェアのやる事と全く同じ事ができる様になっていると言う。

映画の中でスノーデンの元教官が「大抵の人間は、自由より安全を望んでいる」と言う言葉が印象に残る。我々国民が自分を守るには、ネット上に機微な個人情報を流さない事、(これは難しいが)出来るだけ信用できる製品やサービスを利用する事が必要だ。

ITmedia 「中国企業のAndroidスマホにバックドア、セキュリティ企業が発見」
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1412/18/news045.html

筆者紹介

サイバーセキュリティコラム筆者 岸田明コラム筆者 岸田明

岸田 明(きしだ あきら)

KMSコンサルティング代表。
大手IT企業や参議院事務局など、第一線でサイバーセキュリティ対策に携わってきたこの道のエキスパート。 2016年3月よりキューアンドエーワークス株式会社の顧問に就任。