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Case Study

事例

サポート活用でRPA立ち上げに成功!月間81時間50分の削減に貢献!

支援内容

ビジネスプロセス

新生紙パルプ商事株式会社

新生紙パルプ商事株式会社

業種
卸売業/商社業
事業内容
紙・板紙・フィルムの販売、化成品・化学薬品の卸売、印刷・加工・物流支援など
サポート活用でRPA立ち上げに成功!月間81時間50分の削減に貢献!
  • 課題

    • アナログ作業や紙ベース業務が多く、部門によっては残業や人員不足が発生していた
    • 電材工業部では基幹システムが現場の業務プロセスに合わず、業務が属人化しがち
    • IT統括部も基幹システム改修を予定しており、部分的な改修には手が回らない状況
  • 施策

    • 国内シェアNo.1*のRPAツールと充実したサポートの「たよれーるWinActor」を導入し、現場主導で利活用
    • 有償トライアルやハンズオン研修で社内理解と運用体制を構築
  • 効果

    • 約3年で24本のシナリオを作成。定型業務の時間を大幅に削減
    • トータルで月間81時間50分の業務時間を削減
  • 今後の展開

    • 全社的な業務自動化に向けて、専任体制の整備と人材育成を検討
    • 削減時間を、新規事業や海外展開など戦略的業務に活用

導入の背景と課題

私たち新生紙パルプ商事株式会社は、1889年創業の老舗企業で、紙・板紙・フィルムの専門商社として国内外に事業を展開しています。商社として、メーカーの生産した紙・板紙・フィルムを拡販し、お客様に安定供給することはもちろん、素材の特性・機能性を発揮した新しい価値を創出し、環境配慮型素材の活用や購入額の1%を森林育成に使われる植樹プロジェクト事業など、持続可能な社会を見据えた取り組みも積極的に進めています。

今回、大塚商会の「たよれーるWinActor」を導入したのは、情報機能材事業部のうち、電子部品メーカー向けにキャリアテープやフィルター濾紙などの工業用紙を扱う電材工業部。同部門では、従来利用していた基幹システムと業務プロセスの間にギャップがあり、紙ベースや手作業の処理、Excelなどの管理が多くありました。特に、日々の受発注確認や帳票発行、照合作業などに時間がかかり、残業や産休・定年退職に伴う人手不足、テレワークの困難さといった課題に直面していました。

自動化できることが多い部門であった一方で、「何から始めればよいか分からない」という状態でもありましたが、現場から前向きな声も上がっており、ボトムアップでの導入が進みました。

導入のきっかけと自社運用への第一歩

導入のきっかけは、基幹システム改修に伴う業務の見直しです。達成感の得られない単純作業やアナログな手入力などが多く、業務改善の一環としてマクロなども検討したものの、難易度や属人化リスクが高いことから、自分たちで設計できるRPA導入を決断しました。国内シェアNo.1*の実績と信頼性から大塚商会の「たよれーるWinActor」を選定しました。

導入前には大塚商会およびワークスアイディが担当するハンズオン研修を3時間受講し、有償トライアルを1か月間実施しました。トライアル期間中には、毎日行っていた受発注業務の自動化に取り組みました。

初めは操作に戸惑うこともありましたが、サポートデスクへのメールでの質問を重ね、相談会を実施してもらい、細やかにご対応いただいたことで、実機を用いた操作経験と自動化の成功体験を得ることができました。これにより、部門内でも「これなら本格導入して、自分たちでもやれそうだ」という前向きな空気が生まれ、運用に対する心理的ハードルが大きく下がり、2022年7月に導入しました。

多岐にわたる業務の自動化と実践的サポート

導入から約3年で、電材工業部にて24本のシナリオを構築しました。業務の種類は多岐にわたり、以下のような具体的な成果が出ています。

業務名

自動化した業務内容

削減時間(月)

受発注業務

全国に倉庫を保有しているお客様の倉庫ごとのシステムから注文情報を取得し、
Excelに転記し、注文書を出力する作業を自動化

6時間40分

計上前業務

手配書(FAX)とメーカーからくるデータの照合を目検で確認し、
注文番号を手入力していた業務を自動化

20時間

計上業務

基幹システムへの手入力作業を自動化

40時間

ラベル作成

商品の注文番号、日付、個数を1件ずつ(トータル100枚ほど)手入力し、
お客様のシステム上で発行・出力・印刷・貼付まで行っていた作業を自動化。
PDFとして出力し、メール送付できるようになったことで、速達郵送費も削減

8時間

これらの取り組みにより、電材工業部だけで月間81時間50分の業務削減を実現しています。
また、RPAの必要性を経営層に説明し、「たよれーるWinActor」の導入を主導したIT統括部でも独自に自動化を進めています。例えば、早朝に稼働するシステムの日次処理の結果をWinActor®で取得してメール通知し、出社前に状況を把握しています。エラー発生時には、早期に対応できるようになったため、業務に支障をきたすことがなくなり大変助かっています。業務の100%を任せるのではなく、7割をRPAが支援する「サポート役」という立ち位置で、日々業務の中でシナリオ案件を探しながら拡大を進めています。

様々な業務を自動化できた要因のひとつが、「たよれーるWinActor」の充実したサポート体制です。日常的な問い合わせには、大塚商会およびワークスアイディのコンタクトセンターが電話やメールでスピーディーに対応してくれ、同じ画面を見ながら対応可能なリモート接続機能もあるので困ったときに気軽に相談できる体制が整っています。

一方で、複雑なシナリオ作成などでは、サポートエンジニアによるオンサイト支援が非常に有効でした。たとえば、輸出に関わる船積み書類の転記業務では、作業の全体像を見える化したうえでシナリオ作成に入るという提案により、工程が明確になり、効率的に進行しました。

コンタクトセンターでは対応が難しかった内容も、現場での支援では5分で解決するなど、実践的で柔軟な対応に信頼を寄せています。「次回も同じ方にお願いしたい」という声があがるほど、エンジニアの知見と対応力が評価されています。

今後の展望

今後は、RPAを操作できる社員の育成を進めるとともに、兼任体制ではなく専任担当者を置くことで、電材工業部以外の部門への展開も見据えています。
また、削減できた時間やリソースは、今後の海外展開や新規事業への注力にもつなげていく予定です。

引き続き、サポートを活用しながら、業務効率化とDX推進の両輪を前進させていきます。


*富士キメラ総研による「ソフトウェアビジネス新市場2024年版」より
※本記事は、取材に基づいた内容を元に構成しており、個人名は非公開としています。
※WinActor®はNTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。

◆新生紙パルプ商事株式会社
https://www.sppcl.co.jp/