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セキュリティコラム

セキュリティコラム:詳細

人間の仕事は全てAIとロボットに置き換わると言う話

2016年07月12日

今回はセキュリティの話題から少々離れるが、筆者が昔たずさわってい、最近話題になる事が多いAIについて考えたい。 最近の報道で良く、人間の仕事の何十パーセントは将来AIとロボットに置き換わると言われている。確かにこの両技術の発展は目覚ましく、人間の仕事の一部はAIとロボットに置き換えられる事は確かである。ただその結論は余りにも短絡的ではないか、と言うのが筆者の考えだ。

資本主義の現在において全ての活動は経済原理に支配されている。つまりAIやロボットを導入するにしても、その仕事を人間がやった場合と比較して安くなる、或いは稼働率が上がる、不良品率が下がるとか、何かそう言った比較論的なメリットが必要だ。この世界には残念ながら発展途上の国が多く、未だ低賃金で労働している人々が多い。そういう労働力を、両技術はコストメリットの関係で直ぐに置き換える事は難しいのではないかと考える。

もう一つ言える事は、置き換えられるにしても一瞬に全てが置き換えられる訳ではなく、時間軸で考える必要があると言う点だ。つまり自動車の自動運転にしても、高速道路の様に歩行者が居なくて、種々の設備も設置できまたメンテナンスが可能な場所と、歩行者が居り設備設置も難しい場所では違う。更に落石があったり大雨で土砂が流れたり路面状態が常に変化している山道等は更に違う、と言う根本的な差異があると考える。

ただいずれにせよAIとロボット技術は進展し人間の仕事を置き換えて行く訳で、表題の報道は極端だが、我々人類としては焦る事なく、着実に個々人の何らかのスペシャリティを磨き続けて行く必要があるだろう。

筆者紹介

サイバーセキュリティコラム筆者 岸田明コラム筆者 岸田明

岸田 明(きしだ あきら)

KMSコンサルティング代表。
大手IT企業や参議院事務局など、第一線でサイバーセキュリティ対策に携わってきたこの道のエキスパート。 2016年3月よりキューアンドエーワークス株式会社の顧問に就任。